2007.08.15

園長・副園長コラム

お盆の風景

8月15日(水)

全国的に猛暑のお盆となりましたが、お墓参りにはいかれましたか?
幼稚園はお休みですが、お寺は忙しくなります。朝夕の涼しい時間にと来られるので早朝から暗くなるまで一家総出でお参りのご門徒の方々をお待ちします。

境内に墓地があり、たくさんの方がこの3日間に家族揃ってお参りに来られます。
年老いたおばあちゃんの手をとって、また、成長したお孫さんが赤ちゃんを抱っこして・・・とお参りの家族も年々様々。
まずはご本堂に向かって手を合わせられるおばあちゃんを見習って、小さい子ども達も合掌。そして、ご先祖のお墓にお花を供えお参りされます。
ご挨拶してくださるご家族の一年一年の成長を私達も楽しみにしており、お兄ちゃんがお嫁さんを連れてこられたり、「初孫です」と赤ちゃんを抱っこさせてもらったりするのは、本当に嬉しい事です。
昔は「盆と正月」といわれるように仕事もお休みになり、上京している方も帰省して日常忙しい家族・一族が顔を合わせる事が当たり前でしたが、現在はそうではないようです。「帰省できなくて、今年は年寄りだけです」「孫達が大きくなると揃わんようになって・・・」と寂しい話も聞かれます。
けれども「みんな忙しいもんだから、やっとお墓参りの今日兄弟が揃います」と嬉しそうな家族も。み仏さまもきっとそんな家族の風景を見守って下さっているのではないでしょうか。

個人が大切に考えられるようになった現代では、それぞれが忙しく、家族といえどもなかなか顔をあわせることもままならないのかもしれませんが、お互いにちょっと予定を譲り合って、せめてお墓参りの時間だけでもご一緒しませんか。亡くなった方のご法要に親族が集まることも、これをご縁として仏さまの前に一同が顔を合わせることに一つの意味があります。
それと同じように、ただ個人で「墓参り」をすませるといった感覚ではなく、この「仏縁」を大切に考えて下さい。
今、私がここに存在する意味、代々受け継がれてきた命のつながりを思いお墓参りをしていただきたいと思います。
一人ひとりの命の重さや決して個人の力で生きているのではないことまた逆に、こんなにもたくさんの人とつながっていることなどに気付かされるでしょう。

三世代・四世代と一同会してお参りしている姿をきっと仏さまも嬉しくご覧になっておられることだと思います。

(副園長 土岐 環)