2023.03.18

園長・副園長コラム

白藤幼稚園 園訓

令和4年度思い出の綴りより抜粋

「園訓」

                         園長  土 岐 幸 次 

ようやく、コロナ禍から解放されつつある中、保育従事者等の子どもへ対する虐待問題が浮き彫りとなり、社会問題化しています。

会社等では、社訓があり、すべての従業員が守るべき理念、そして心構えを訓示し、同時に大事な取引先やお客様に対して、対外的にも社風をアピールするメッセージでもあります。

さて、保育現場ではどうでしょうか?園訓を掲げている園もホームページ等で見かけますが、園児への教育方針、教育理念、教育目標であったりして、職員や対外に向けての園訓は見当たりません。

白藤幼稚園は浄土真宗の仏教園であり、子どもたちへ宗教的情操を育むことを教育理念に掲げております。ですから、保育者自身が保育現場で精神的に安らぎを覚えることなく行動しているとすれば、思いやりや感謝の気持ちを育む保育は決してできません。

 当園では、全職員の精神的支柱として日常生活の中で身につけてもらいたい園訓があります。それが「無財の七施」と言われるものです。財力や能力がなくても、自分も他人も幸せにすることのできる七つの施しです。

一つ目は眼施(げんせ)目は口ほどにものを言うといわれるとおり、言葉を発しなくても相手の想いが伝わってきます。特に子どもたちは敏感な反応を示します。つくろうことなく自然にやさしいまなざしを向けること。

二つ目は和顔施(わげんせ)表情はまなざし同様に人の喜怒哀楽を代弁します。笑顔は人の心を惹きつけます。メールやラインでも笑顔の顔文字一つ付けるだけでも親しみがわくのといっしょです。いつも笑顔を絶やさないこと。

三つ目は言辞施(ごんじせ)言葉は人と人との大事なコミュニケーションツールです。特に保育者は子どもの年齢に応じて言葉の使い分けをしなければいけません。普段、何気なく発する言葉の中には罵声や人の気分を害する言葉使いがあります。努めて相手の気持ちを察しながら、相手の気分をやわらげさせる言葉使いができること。

以上三つは浄土真宗では「和顔愛語」(わげんあいご)とも言い、「仏説無量寿経」の中の言葉です。園では子どもたちを保育する先生方自身が笑顔を絶やさず心豊かでないといけません。他に、四つの身施・心施(しんせ)、床座施(しょうざせ)、房舎施(ぼうしゃせ)があります。そのすべてが、仏さまの智慧と慈悲のお心です。

無財の七施の実践で一番大事なことは、保育についても、「してあげた」、「やってあげた」ではなく、「させていただいた」に変換することで保育者としての感謝する謙虚な気持ちが生まれます。

職員一同、卒園児の皆さんと共に園生活の中で、感謝の日々を送らせていただきました。そして、皆さんが穏やかな顔で優しい言葉使いの出来る仏の子どもとして巣立ってほしいと願っています。