白藤幼稚園

私たちは生きる力をほとけさまの智慧と慈悲の心から学びます。

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ほんとのきもち

      2016/04/30

2011年 3月21日

3学期がスタートし1年のまとめの時期を迎えると、子ども達の成長が頼もしく感じられます。
今でこそ年少児に対して優しく、そしてお手本になる年長児も数年前は担任を手こずらせていたことを思い出します。
今までに考えられないようないたずらをしてわざと先生を困らせるような問題行動をとる子に対して私達は、「家庭環境は?母子関係は?生育歴は?」とその子の気持を理解しようとまた、どのように関わってあげればよいものかとよく話をしました。が、的を得た答えは出ません。
それでも、私達が見守る中少しずつお友達の影響を受け、またいろいろなトラブルを乗り越え、精神的に落ち着いていく様子をみていくと、周りの大人は何かその行動に理由をつけて安心したいだけなのかもしれないと思うようになりました。

十月の仏教目標である「聞法(もんぽう)」は、「人の話を聞く。そして自分の考えを言えるようになる」ということです。「どうして泣いているのか、お話ししないとわかりません。自分の気持ちをお話し出来るように心がけて下さいね」と言ったものの「自分の考えを言うことは大人でも難しいことなのに子ども達にできるのだろうか」と考えさせられました。

今日の自分はどうして悲しいのか。逆に、何がこんなにも楽しい気持にしてくれたのか。
・・・人の気持ちは一問一答で答えられるものではありません。様々な気持が絡み合って、変化し続ける気持の一瞬を捉え、その気持に理由をつけることなど、それが自分の気持であったとしても無理なことだと思うのです。だから前出の悪戯をしてしまう子に「どうしてこんなことをしたのか」と問うても、ましてや周りの他人が想いを巡らしても真相など解るはずがありません。考えてみると「聞法」はなんと難しいのでしょう。でも私達人間は、何とか自分の気持を他人に理解してもらおうと自己表現し、保育者は何とか子どもの気持を理解しようと寄り添ったり、見守ったりと努力をします。

園で見せる子どもの行動は、その子自身の一面にしかすぎないけれど、その子の「ほんとのきもち」に少しでも近づけるように、「ほんとのきもち」をその子が素直に表現出来るように信頼関係を築いていかねばならないと思い保育に携わっています。

卒園するみなさん。これから成長していくなかで「自分は何をしているんだろう?」と自信をなくし、自分のことなのに解らなくなることがあるかもしれません。
そんな時はこの仏さまとのお約束を思い出して、自分の心の中の「ほんとのきもち」に耳を傾けて下さい。そして自分の感じる今の気持に正直に、また自分の思いを大切に歩んでもらいたいと思います

(副園長 土岐 環)

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